拝啓
このたび、ご指名をいただき、この研究会の会長を拝命した鷲澤尚宏です。
重責を感じ、身の引き締まる思いですが、この場をお借りしてご挨拶をさせていただきます。
本研究会は経皮経食道胃管挿入術(PTEG)を医史の節目のひとつとしてその位置づけを明確にすることを活動と事業の目的としていると認識しております。
医療従事者は業務の中で創意工夫を繰り返しておりますが、個人的な思い付きにとどまらず、世の中に啓発すべきものがあり、消化管へのアプローチ法としてPTEGはこれにあたります。
我が国の医療現場において、PTEGは同一の認識をもって患者に提供されていない現状があります。食道へカテーテルを留置することと留置されたカテーテルを管理することに限定しても、技術レベルに頼る部分を持っている手技であるため、担当する医師・看護師等のレベルによる認識の差、施設による格差、地域による格差が生じています。しかし、その一方で、特定の領域については医療施設のみならず、介護施設や在宅療養現場に普及しています。その理由は、この手技が素晴らしい方法だからです。
任期中は、一定の知識や技術を持った医療人を対象に標準的ツールとして定着させること、社会的に間違いなく普及させること、技術が他方面に応用できるように研究の自由度を維持すること、国内外の実態把握に努めること等を肝に銘じて、研究会のために働きたいと存じます。
皆さんと協力して、この研究会の発展に尽くしてまいりますのでよろしくお願いいたします。
敬具
東邦大学医学部臨床支援室教授
東邦大学医療センター大森病院栄養治療センター部長、栄養部部長
鷲澤尚宏